MY SOUND GEAR
Fresher FK-301BS
中学2年の頃、それまでフォークギター一辺倒だった音楽生活が、あるバンドを聞いて一変した。そう、ザ・ビートルズである。同じころにドラムに目覚めた友達に誘われたこともあり、バンドを組むことになった。
とは言え、仲間はみなフォークギターは持っているが、その段階でエレキギターを持っていたのは自分だけ(ハートマンのストラト)。「ポールはギターもベースもピアノもドラムも出来るんだよ、ポールのパートやってくれよ。」という甘言に騙された気もするが、結局ベースを買うことにした。
とは言え、当時はネットなど無いし音楽雑誌も少なくて、せいぜい漫画の裏表紙に出ているトムソンの広告ぐらいしか知識が無いし、フォークギター教室に通っていた地元のコ○ドー楽器の店頭にはビートルズっぽい楽器が無かったので、まず楽器カタログを見せてもらった。
すると、ポールのバイオリンベースっぽいシルエットが!知識の浅かった当時はバイオリンシェイプのベースがお年玉価格で買える事に驚き、その場でハードケース付きで取り寄せをお願いしてしまった。東京の楽器屋ならいざしらず、地方の楽器屋は基本定価売り。4万以下の楽器はフレット音痴で使えないと言われた時代、ギリギリのクオリティだったと思う。
それから数日経って(数週間かも)届いたそれは、とても奇妙なハードケースに収まっていた。実はカタログで発注した時点ではハードケースは価格しか聞いていなかったのだ。持ち上げてみると結構重量が有り、しかもヘッドヘヴィーで力を入れないと床に先端が当たってしまう。当時思った事は「うっわまじかこれ。」
フレッシャーFK301専用ハードケース(ヤフオク画像から拝借)
とは言え、もはや買わないわけにはいかない(関東人の性)。中身のバイオリンベースを最初見た時は「ああ、ポールっぽい。」と感動した。が、家に返って来て弾いてみると段々とその似て非なるところが判ってきて、喜びは失望に代わって行った。
Fresher FK-301販売店HPから拝借
1)ピックアップが横に広い
2)ピックアップエスカッションが巨大
3)ボディのアウトラインがぼってりしている
4)コントロールノブが黒い
5)トラスロッドカバーが白いパーロイドの三角形!
6)ネックがデタッチャブル(ネジ止め)
7)ペグが金属
8)フィンガーレストがある
9)音がチープ
9)については、後にポールがBASS ON設定であること(Fピックアップのみでリアは使わず、ハイカットコンデンサーが働く)を知った事でなんとなく解消したが、他のところはいかんともし難い違い。まあ、価格も全然違うので仕方が無いのだが・・・。
中三の時の文化祭での初めてのバンド演奏の際はギター&ボーカルで所謂ジョン役だったので、ベースは友人のK添くんが担当した(彼はQUEENのジョン・ディーコンのファンだったが)。その際使用したベースは2本とも筆者のもの(他にベース持っている人いなかったので)。1枚だけ当時の画像が残っている。使用しているベースアンプはコンドー楽器のレンタル用のヤマハの50W。このアンプは馬鹿でかいが良い音がするので今も欲しい。
立てかけてあるのがフレッシャーでフィンガーレストは外してある
結局、その後手に入れたグレコのジャズベタイプがメインベースになってしまった(別に掲載)為、高校2年の時にバイオリンベースは後輩に購入時の半額程度で譲ってしまった。後に後輩に会った際に「初めてのベースなので買い戻させてくれないか?」と言ったら「僕にとっても初めての楽器なのでお断りします。」と正面から拒否されてしまった(苦笑)。青春の思い出である。
※株式会社共和商会は、名古屋市中村区にかつて存在した楽器卸・代理店。2011年5月6日、経営破綻。2011年5月9日を持って全業務を終了した。自社ブランドのFresherはフェンダー社ギターのコピー品、1973年から1980年代。中信楽器製造による生産。Gallanはギブソン社ギターのコピー品、1973年より。当初はこのようにF始まり、G始まりでブランドを分けていたが、後に全てFresherに統合。国内では主にエントリーモデルを制作しており、グレコのセカンドブランドのWestminsterやフェルナンデスのセカンドブランドのOrangeなどと同じ廉価な価格帯で勝負していた。